サステナブルに生きる。鳥谷部愛のブログ

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妻がエクアドル/アマゾンに行くことについて、かなりマジメにいろいろな想いを書いた

2016/9/30 夫、鳥谷部大樹の投稿

妻が2週間エクアドルに行く。僕が大阪や福岡に社員研修に行くのとだいぶ違う。アマゾンの先住民族と対話し、彼らの儀式なども体験してくるらしい。未知の世界を記録するための撮影クルーも伴い、帰国後は映像制作と販売も行うらしい。妻はそんなツアープロジェクトを主催している。

妻はいまとあるNPOの理事を務め、地球規模の仕事をしている。7世代先の子孫にも豊かな地球環境を残し続けることを啓発するワークショップを各地で地道に開催している。アマゾンの奥地には、消費活動を必要とせず、自然環境と共生し、心豊かな暮らしを実現している先住民族がいる。環境的にも精神的にも持続可能な社会はどうすれば可能になるのか?妻は、環境的にも精神的にも疲弊しきった現代社会への叡智を求めて、仲間とともにアマゾンに行く。

出発を来週に控えた今、今では快く送り出せる自分がいる。しかし、「行ってきていいよ」と言うまでに、かなり時間がかかった。うじうじ葛藤した。会社勤めの僕にとって、2週間ものあいだ、6歳と3歳の娘の保育園の送り迎えや食事作りやあらゆる家事を、たったひとりでやり切るのは、大変だなと思った。それをかなりの重荷だと思った。現実のタスクの数々を想像すると、妻の夢であるアマゾンや先住民族や持続可能社会は幻想以外の何物でもなかった。7世代先までの持続可能性を説く前に、まずは家庭の持続可能性でしょ、と抵抗する気持ちもあった。だから、夫婦のあいだでその話が出ることは居心地が悪かった。避けたいものがある夫婦関係は健康的ではないと思ったが、積極的に向き合いたい話ではなかった。真剣に向き合わない夫のことをどう思っていたのか、妻の気持ちは簡単に想像できた。

しかし、ひとりのときに妻の話の続きを考えることは不思議と多くなった。このまま平行線でもいけないと感じていたからだと思う。歩きながら、走りながら、泳ぎながら、ご飯を食べながら、映画をみながら、繰り返し繰り返し、妻のことと自分の気持ちを考えた。僕は妻に何を望み、自分に何を望んでいるのだろうか?答えを探し続けた。かなりの日々が過ぎた。そして、ある日、ようやく、その答えを見つけることができた。意志を固めることができた。僕は妻の可能性を限定する結婚生活を送りたくない。妻には、妻や母親という役割の前に、ひとりの女性、ひとりの人間として、自分の可能性を信じて、自分らしくいろいろなことにチャレンジしてほしい。娘たちにはそういう母親を見てほしい。そういうパートナーシップを見てほしい。そんな気持ちで葛藤を越えることができた。そう思えてからは、この2週間はどうってことない2週間なんだろうなと思えるようになった。「エクアドル行ってきていいよ」と、言うことができるようになった。

しかし、妻の活動は僕が許可するまでもなく、運命なのかもしれない。こうなるように、妻の人生のシナリオは書かれていたのかもしれない。エクアドルに行くことを決めるまでのここ3年の道のりは劇的だった。僕は2013年に『 ソウル・オブ・マネー』という本を買って家に帰った。「うさんくさい本を買ってきたね」と妻は興味を示さなかった。しかしあるとき、妻は僕の本棚にあるこの本を読み、感銘を受けた。著者のリン・ツイスト(世界的な資金調達者)の生き方と考え方に共鳴した。いい本を読んだ、リンに会いたい。いろんなところで口にした。すると、そんな妻に、ひょんなことがきっかけで、「リン・ツイストを日本に呼ぶプロジェクトに参加しないか」と声がかかった。急きょこのプロジェクトに参画した妻は、プロジェクトの重責を担い、プロジェクトを通じて、リン・ツイストと仕事をするようになった。そして、リン・ツイストが関係して設立された今のNPOの理事にまでなった。そして今や、リン・ツイストの活動の起源にもなるエクアドルに自分も行くことを決めた。かつて一緒に働いていた大先輩はこう言ってくれた。「NYやローマは意志で行くけど、エクアドルは意志以上のものがないと行けないよ。つまり、大いなる存在に導かれてないと選択肢に入りっこない。そういうのを運命と言うんだよ。」運命の勢いには、僕ごときがどれだけ抵抗しても、波紋すら生じさせられないのかもしれない。今ではそんなふうにも思っている。

いいツアーにしてきてほしい。僕は、妻のツアープロジェクトが成功することを願っている。帰国後に製作される映像が多くの人に届くことを祈っている。でも、成功させるためには、たくさんの人の力が必要なんだろうと僕は思う。率直にいうと、お金が必要だ。NPOが大きなチャレンジをしようとするとき、資金を集められなくて活動を断念せざるを得ないことは多い。だから、、、最後はお願いになってしまいますが、もしお金に余裕を作ることができる人は、少しでいいのでそのお金を、僕の妻に投資してください。エクアドルのプロジェクトに少しだけ譲ってください。何がよりよい未来かを自問して、もしこのNPOの描く未来像と少しでも重なることがあれば、このNPOに寄付をしてください。よろしくお願いします。

www.sevengenerations.or.jp